株式会社AoyamaLab様&株式会社ミチノバ様 – ISMS/ISO27001認証・取得コンサルティング 事例

文書作成から従業員教育、審査準備まで、LRMの体系化されたサポートで、事業拡大に向けた情報セキュリティの土台作りが出来ました

株式会社AoyamaLabと株式会社ミチノバは、2020年7月から2021年3月までの9ヶ月、LRMのサポートを受けながらISMS/ISO27001認証の新規取得に取り組みました。「ISMSに対する認識が変わった」と語るのは両社の代表取締役を務める内山和也氏です。取り組みの背景や認証取得までの経緯などについて、株式会社AoyamaLab総務・濱田伸子氏を交え、お話を伺いました。

(株式会社AoyamaLabについて)

「食の流通を最適化して、人々の豊かな暮らしに貢献する」ことをミッションに、飲食料品のEC市場を牽引していくことを目的として設立された。現在は伊藤忠商事社との共同運営事業として、会員企業の福利厚生ショッピングサイト『SECRETMALL』と、BtoBの手土産用ギフトカード販売サービス『AOYAMAGIFTSALON』を展開中だ。2020年12月から運用を開始し、大手企業を中心に導入社数を増やしている。今後は2つのECサイト事業を中心に100万会員、流通総額300億円の目標実現を目指す。さらにクローズドな『SECRETMALL』を発展させたオープンなEC事業も計画中。飲食料品のEC化率を高める上でネックとなっている既存の物流構造やUI/UXの問題をクリアし、より便利な食のECを実現していく。
本社;東京都港区。設立日;2018年11月。従業員数;12名(2021年6月現在)

(株式会社ミチノバについて)

経営/事業戦略コンサルティング事業を展開。代表取締役・内山和也氏が外資系大手コンサルティング会社で培った分析力を強みに、業務分析、技術開発、システム開発により、クライアント企業の成長、コスト削減を、実行段階まで支援する。特に大量のデータを扱うことを得意とするため、クライアントも大手流通企業が中心。未知の世界に新たなイノベーションを起こし、世の中をより便利に変えて行くことがミッションだ。
本社;東京都港区。設立;2016年6月。従業員数;8名(2021年6月現在)。

LRMへのご依頼内容;ISMS/ISO27001グループ認証新規取得コンサルティング

— LRMへのご依頼内容をお話し下さい。

内山氏(以下、表記がなければ内山氏) 株式会社AoyamaLabと株式会社ミチノバは、2020年7月、LRM株式会社にISMS/ISO27001(以下、ISMS)のグループ認証新規取得コンサルティングを依頼しました。
LRMのサポートにより、AoyamaLabは1月、ミチノバは3月に、それぞれISMS認証を取得しました。途中でグループ認証に変更したり、担当者が交代したり、何度か手戻りがあった中で、最後まで丁寧に対応していただきました。

ISMS認証取得の目的;外部への安心感訴求と社内の体制整備

ISMSはもっと厳格なものだと思っていました

ISMSはもっと厳格なものだと思っていました
(株式会社AoyamaLab/
株式会社ミチノバ 代表取締役・
内山和也氏)

— ISMS認証を取得した理由をお話し下さい。

まずAoyamaLabに関しては、ISMS認証を取得した理由は2つあります。

(1)外部に向けた安心感の訴求
AoyamaLabの場合、個人情報を沢山扱いますし、お取引先様に金融機関もいらっしゃいます。営業から情報セキュリティ体制について問われたという報告が上がっていました。

(2)ルールに則った事業運用の体制整備
弊社のような創業して間もないベンチャー企業にとって、情報セキュリティ事故は最大のリスクです。情報漏洩などの事故が起きれば事業継続が困難になります。そのため、情報の取り扱いに関しては最大限の注意を払って来ましたが、明確なルールに則った運用をすることで、より手堅い事業運営が出来る体制を整備したいと考えました。

— 情報の取り扱いに関しては最大限の注意を払って来られたとのことでしたが、そういった意識はどのような形で共有されていましたか。

どちらも立ち上がったばかりの会社ですので、ドキュメントとしては持っていませんでした。私が気付いたことを『Slack』で、「この場合はこうしましょう」と発信する形で共有していました。ただし、正式なルールとして運用していたわけではありません。今回は、そういった不文律的として共有していた慣習を、明確なルールとしてまとめる機会となりました。

— ミチノバ様の場合はいかがですか。

ミチノバは、AoyamaLabほど大量の個人情報を扱うことはございません。お客様からもそんなに厳しい要求があったわけではありません。AoyamaLabでISMSを取得する意思決定をした際は、ミチノバの方は考えていませんでした。
しかし業務の中ではお客様の経営や事業戦略に関わる情報を扱いますので、管理が重要であることに変わりはありません。AoyamaLabとミチノバはそれぞれ独立した事業体ですが、AoyamaLabの業務と兼務する社員もいますので、途中からではありますが、一緒に取り組むことにしました。

— ミチノバ様の取り組みが始まったのはいつですか。

9月頃です。AoyamaLabのマニュアルや管理フォーマットが固まった段階で、情報資産の洗い出しやリスクアセスメントに着手しました。ISMSのマニュアルや管理フォーマットの内容は、ほぼ統一された内容になっています。

総合的なバランスが取れたLRMにサポートを依頼

— コンサルティング会社の選定にあたって重視したポイントをお話し下さい。

コンサルティング会社を選定する際は、4社ほど比較しましたが、当時は右も左もわからない状態でしたので、比較しても明確な差は認識出来ませんでした。取得までの期間も大きな違いはありませんでした。最終的にLRMに依頼したのは、コストと実績、コンサルティングの進め方など、総合的なバランスが取れていると感じたからです。

比較した中にはドキュメント管理に独自の専用ツールを使う会社もありました。それによって体系的な管理が出来る点は良いと思いましたが、認証取得後も制限されて、やりにくくなると思いました。他の会社も、そういったツールはなくても、体系化されたフォーマットは持っています。LRMの場合は文書管理に『Box』を使用し、その中でフォルダ分けして管理するという進め方ですが、それだけでも漏れのない必要十分な管理が出来ると思いました。

組織が拡大した後も継続して運用出来る仕組みを作って行きたいです

組織が拡大した後も継続して運用出来る仕組みを作って行きたいです
(右から;内山氏、濱田氏)

不文律のルールを明文化。『セキュリオ』の活用で周知や教育もしやすく

— ISMSを構築したことで、業務がやりづらくなったようなことはございませんか。

業務がやりづらくなったことはありません。そもそもISMSに取り組む以前から情報セキュリティの重要性は認識していましたので、書類の管理場所や個人情報の管理方法などは固まったものがありました。それをそのまま明文化しただけなので、業務上の運用を変えた部分はありません。

— ISMS認証取得の前後で社内の変化はございませんか。

細かい部分で、管理上の抜け漏れを埋めた部分はありました。例えば、社員の退職時の手続をより厳密に決めました。会社の業務で使っていたものを返却してもらうことや秘密保持に関する誓約書を書いてもらうことを改めて定め、チェックリストを作りました。秘密保持誓約書は入社時にも書いてもらいますし、それは退職後も範囲に含めたものですが、LRMから改めて退職時にも取った方が良いというアドバイスを頂き、取り入れました。

またこれまでは、個人情報の取り扱い方法やPCの管理方法など、気を付けなければいけないことに関しては、口頭やチャットなどで周知していましたが、LRMが提供するセキュリティ教育クラウド『セキュリオ』の仕組みを使うことで、今回構築した社内ルールの周知やセキュリティ教育もしやすくなりました。

ドキュメント作成から内部監査、審査準備までサポート

今後の運用が大事。これまで通り相談に乗って下さい

今後の運用が大事。これまで通り相談に乗って下さい
(株式会社AoyamaLab 総務・濱田伸子氏)

— 取り組み体制を教えて下さい。

AoyamaLab、ミチノバ、それぞれでISMS事務局を立てて取り組みました。LRMとの打ち合わせは事務局が担い、必要に応じて私も参加しました。情報資産管理台帳やリスク管理台帳などの書類はどちらも私が書きました。

— 今回の取り組みでご苦労されたことをお話し下さい。

最も苦労したのは、ドキュメント化の工程です。作成する量が非常に多いので、時間はかかりました。また、審査を受けるには、どこに何が書いてあるのかを把握しなければいけないので、担当者は読み込むのも大変だったと思います。
AoyamaLabは特に、途中で担当者が変わって引き継ぐ作業もありました。LRMにはそういったイレギュラーなところも含めてサポートして頂きました。何も知らない状態からスタートして、体系化されたフォーマットのもと、何をしなければならないのかを教えていただき、内部監査や審査準備までフォローしていただきました。

— 打ち合わせはオンラインで行われたのですか。

『Zoom』のオンライン会議で行いました。その他、作業を進める中での質問などは『Slack』のミーティングルームでコミュニケーションしました。

— 『セキュリオ』をご利用になられたとのことでしたが、ISMS認証取得においてeラーニングを使うメリットは感じられましたか。

個人的には非常に便利だと考えています。逆にeラーニング以外に方法はないように思います。現在の社会情勢を考えれば集合研修は出来ませんので、非常に良いと思います。今後、ISMSを運用していく上でも、あった方が便利だと考えています。

特に『セキュリオ』の利点は、情報が自動でアップデートされるところです。テキストに書かれた内容は当たり前のことですが、情報セキュリティマネジメントのポイントは時代によって変わります。例えば私が社会人になった2008年頃はSNSのリスクなどはありませんでした。また最近はリモートワークが当たり前になって、従業員の自宅のネットワーク環境も意識しなければいけない時代になりました。このように変化の激しい外部環境に対応し続けるには『セキュリオ』のようなクラウドツールを活用するのが最適であると考えます。

『セキュリオ』は、eラーニングの他にもサプライチェーンセキュリティ機能、法令管理機能を利用しています。

— 内部監査のサポートはいかがでしたか。

内部監査は内部監査員を代行していただきました。第1段階審査前と第2段階審査前の2回に渡り、審査を受けるために必要な書類や現場での運用面をチェックしていただきました。そしていただいた指摘に沿って、情報資産の見直しや、各種業務システムへのアクセス権限を整理するなどの改善を行いました。社内の誰かがやるよりも、専門家に委託した方が的確な監査が出来ると思います。

— 審査はいかがでしたか。

審査は両社それぞれのISMS事務局の担当者が対応しました。濱田はAoyamaLabの担当者です。

— 濱田さんは普段はどのようなお仕事をされているのですか。

濱田氏 私はAoyamaLabで主に総務の仕事をしています。

— ISMS事務局のお仕事はいつから引き継がれたのですか。

濱田氏 マニュアルやハンドブックなどの作成が一通り終わって、運用に入った段階で引き継ぎました。従業員教育も途中までは進んでいましたので、私が担ったのは一旦出来上がったマニュアルやハンドブックを、より弊社の実態に合わせていく作業と、内部監査や審査への対応です。LRMのコンサルタントにISMSとは何かという基本から教えていただくなど、しっかりサポートしていただき乗り切ることが出来ました。

— 審査はいかがでしたか。

濱田氏 審査前に、内部監査とは別途、何度かコンサルタントと何度か打ち合わせをさせていただいて文書体系を把握することが出来ましたので、審査員の質問にも受け答えすることは出来ました。審査が終わった後も、その日のうちにZoomで繋いで、指摘事項への対応方法などをアドバイスして頂きました。

— ISMS認証の取得をご経験されたご感想をお話し下さい。

濱田氏 もう一回ぐらいやってみないと、ISMSを理解するのは難しいなと思っています。ただ、何もわからない状態で担当を引き継ぎましたが、LRMのサポートがあるので何とかなるだろうと思って取り組みました。実際、取り組む上で不安を感じることはありませんでした。

LRMのコンサルタントは我々と世代も近く話しやすかったです

LRMのコンサルタントは我々と世代も近く話しやすかったです
(右から;内山氏、濱田氏)

「事業を推進するためにリスクを受け入れるという判断もある」

— 内山社長は実際にISMS認証取得に取り組まれて、いかがでしたか。

内山氏 今回の取り組みを通して、ISMSに対する認識が変わりました。取り組み前は、もっと厳格なものだと思っていました。このようにしなければいけないという厳格なルールが沢山あって、がんじがらめになるような印象を持っていました。

ただ、LRMや審査員の話を聞いて感じたのは、改善し続ける運用体制と取り組みさえ示すことが出来れば、ISMS認証は取得するということです。おそらくノックアウト・ファクターはあるとは思いますが、当たり前のことを当たり前にやっていって、指摘されたことをきちんと改善すれば取れる。ISMSとはそういうものかという理解が出来ました。

— 「厳格なものではない」ことを示すような事例はございますか。例えば、「本当はやった方が良いのはわかるけど、現状ではやっていない」といったものもあるのでしょうか。

内山氏 あります。審査員から「全てを守る必要があるわけではなく、事業を推進するためにリスクを認識して受け入れるという判断も当然ある」という話をされて、そういう考え方で良いのかと思いました。例えば、弊社では今、4割ぐらいリモートワークで業務を行っていますが、各従業員の自宅のネットワーク管理をどこまで厳密にやるかは非常に難しい問題です。厳密にやるなら、ルーターを支給して暗号方式まで指定するということをするべきですが、現在の我々のステージではそこまでは出来ません。今回はリスク認識した上で諦めて、一般的なパスワードロックがかかったWi-Fiを使っていれば良いというルールにしました。

— 今後の展望をお話し下さい。

内山氏 今後、事業が拡大するにつれ、扱う情報や従業員数も増えて行きます。今はまだ私の目が届きますが、仮に数十人の規模になっても一貫した思想や認識、ルールに基づいて管理・運用ができる仕組みを作っていかなければいけないと考えています。

漏洩リスクという意味でも、10名前後の組織なら、経営者自身が真っ当な認識と知識を持っていれば、日々の注意喚起をすることで抑えられると思います。しかし人が多くなればなるほど、それが難しくなります。ルールの存在は管理する者の代弁者として、より重要性を増していくと思います。事業が急成長する前に土台作りが出来て良かったと考えています。

専門家がいる安心感。『情報セキュリティ倶楽部』も契約

— LRMのコンサルティングを受けたご感想をお話し下さい。

内山氏 本当のことを言うと、ISMS認証取得を検討し始めた際は、自分たちだけでも取得出来るのではないかと考えていました。実際、情報は溢れていますので、Webなどで調べながらやってみれば出来ると思います。だから社内では専任を一人入れてやろうかとも話し合った経緯がありました。しかし今は、サポートをお願いして良かったなと思っています。審査前の準備も含め、専門家がいた方が安心して取り組むことが出来ます。

また、コンサルタントは話しやすくて良かったです。我々と世代も同じぐらいですし、堅苦しさもありませんでした。

— ISMS認証取得後の運用サポートのご契約はされたのですか。

内山氏 3年ごとに更新審査がありますので、ISMSの運用支援サポート『情報セキュリティ倶楽部』の契約はしました。

— 今後のご期待をお話し下さい。濱田さんからどうぞ。

濱田氏 ISMS認証取得の取り組み自体は、会社の制度を作る機会となり良かったと思っていますが、今はまだマネジメントシステムを作った段階です。これからは周知も含めてしっかり運用していかなければいけないと思っています。
より運用を強化していくためにも、LRMにはこれまで同様、相談に乗って頂きたいと考えています。

— 内山社長からもお願いします。

内山氏 税理士などもそうですが、専門家の力を借りる理由は、素人には何を気にしなければいけないかがわからないからです。こういう時はこうしなければいけないというアンテナの張り方がわかりません。例えば「従業員教育の時期ですよ」「内部監査の時期ですよ」などと知らせていただけるだけでも価値はあると思っています。

株式会社AoyamaLabならびに株式会社ミチノバの皆様、お忙しい中ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社AoyamaLabならびに株式会社ミチノバの皆様、お忙しい中ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

※ 株式会社AoyamaLab様のWEBサイト
※ 株式会社ミチノバ様のWEBサイト
※ 取材日時 2021年6月

  • 50名未満
  • 東京

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