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2015年3月に国会提出された改正民法が、2017年5月26日に賛成多数で可決・成立しました。

明治29年、1896年の民法制定以来120年振りに、お金の貸し借りや物の売買といった契約に関するルールが改正されます。

これまでの民法の契約ルールは、判例や専門家の法解釈によるところが大きく、基本的なルールであっても条文に記載されていない状況にありましたが、改正により、契約自由の原則や、賃貸物件契約における敷金の返金など、様々な内容が明文化されました。

今回の改正では、上記のような明文化も含めて、約200の項目が見直されますが、中でも特に大きな変更は次の通りです。

「約款の明示」=「契約」!?

B to Cのサービスを展開している会社においては、サービス約款等をお持ちのケースが多いのではないでしょうか。

今回の法改正で『約款を契約内容とする旨』を事前に示していた場合、個々の約款の内容それ自体が契約内容となることが明記されました。

それは、たとえ消費者側が約款の内容を理解していなかったとしても、事前にしっかりと明示していれば有効となります。

つまり、『約款が難しくて読んでいなかったから契約は無効である』とは主張できなくなるということです。

そのため、企業側は「〇〇約款を必ずご確認の上~」や「本取引には〇〇約款が適用されます」というように、約款の内容を確認しておく必要がある旨、約款が効力を持つ旨を消費者側に明示しておきましょう。

ただし、約款の内容が、消費者側が一方的に不利益を被るような場合、有効な契約内容とみなされない場合もありますのでご注意ください。

「納品から1年以内」ではなく「気付いてから1年以内」

こちらの改正は、特に、システム開発会社様や、そういったシステム会社への発注を行う会社様に影響が大きいと考えられる内容です。

現状の民法においては、請負契約で納品した成果物に問題(=不具合やバグ、欠陥等)が存在すれば、「納品から1年以内」に限り、発注側が受注側に対し、無償で修正対応や賠償を請求できるという「瑕疵担保責任」という考え方がありました。

今回の改正においては「瑕疵担保責任」という語句が「契約不適合」という語句に変更されます。

のみならず、今までは「納品から1年以内」であった部分が、今後は、「問題がある事実を知ってから1年以内」であれば、瑕疵担保責任と同様に、発注側が受注側に無償で修正対応や賠償を請求できるようになりました。

※期限として、上限5年以内、という縛りがつきます。

つまり、システム開発を依頼して(または受託して)、システムが納品され(または納品して)、例えば3年経った後に何かしらのバグや欠陥が明らかになった場合、開発会社は、無償でそのバグや欠陥を修正する必要が生じる、ということです。

情報セキュリティと民法改正には直接の関わりはありませんが、しかし、法改正の内容を把握せず、知らないままに法令違反の状態を招くことも、立派(?)なセキュリティリスクです。

改正民法は、公布後3年以内の政令で定める日までに施行されるとされ、遅くとも2020年6月頃までには施行される見通しです。

得てして、法律はとっつきにくいものですが、今のうちからコツコツと、少しでも興味を持てるような分野からリサーチを始めておきましょう。

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120年振りの民法改正!私たちの仕事や生活はどう変わる!?

カテゴリー: 法律

2015年3月に国会提出された改正民法が、2017年5月26日に賛成多数で可決・成立しました。

明治29年、1896年の民法制定以来120年振りに、お金の貸し借りや物の売買といった契約に関するルールが改正されます。

これまでの民法の契約ルールは、判例や専門家の法解釈によるところが大きく、基本的なルールであっても条文に記載されていない状況にありましたが、改正により、契約自由の原則や、賃貸物件契約における敷金の返金など、様々な内容が明文化されました。

今回の改正では、上記のような明文化も含めて、約200の項目が見直されますが、中でも特に大きな変更は次の通りです。

「約款の明示」=「契約」!?

B to Cのサービスを展開している会社においては、サービス約款等をお持ちのケースが多いのではないでしょうか。

今回の法改正で『約款を契約内容とする旨』を事前に示していた場合、個々の約款の内容それ自体が契約内容となることが明記されました。

それは、たとえ消費者側が約款の内容を理解していなかったとしても、事前にしっかりと明示していれば有効となります。

つまり、『約款が難しくて読んでいなかったから契約は無効である』とは主張できなくなるということです。

そのため、企業側は「〇〇約款を必ずご確認の上~」や「本取引には〇〇約款が適用されます」というように、約款の内容を確認しておく必要がある旨、約款が効力を持つ旨を消費者側に明示しておきましょう。

ただし、約款の内容が、消費者側が一方的に不利益を被るような場合、有効な契約内容とみなされない場合もありますのでご注意ください。

「納品から1年以内」ではなく「気付いてから1年以内」

こちらの改正は、特に、システム開発会社様や、そういったシステム会社への発注を行う会社様に影響が大きいと考えられる内容です。

現状の民法においては、請負契約で納品した成果物に問題(=不具合やバグ、欠陥等)が存在すれば、「納品から1年以内」に限り、発注側が受注側に対し、無償で修正対応や賠償を請求できるという「瑕疵担保責任」という考え方がありました。

今回の改正においては「瑕疵担保責任」という語句が「契約不適合」という語句に変更されます。

のみならず、今までは「納品から1年以内」であった部分が、今後は、「問題がある事実を知ってから1年以内」であれば、瑕疵担保責任と同様に、発注側が受注側に無償で修正対応や賠償を請求できるようになりました。

※期限として、上限5年以内、という縛りがつきます。

つまり、システム開発を依頼して(または受託して)、システムが納品され(または納品して)、例えば3年経った後に何かしらのバグや欠陥が明らかになった場合、開発会社は、無償でそのバグや欠陥を修正する必要が生じる、ということです。

情報セキュリティと民法改正には直接の関わりはありませんが、しかし、法改正の内容を把握せず、知らないままに法令違反の状態を招くことも、立派(?)なセキュリティリスクです。

改正民法は、公布後3年以内の政令で定める日までに施行されるとされ、遅くとも2020年6月頃までには施行される見通しです。

得てして、法律はとっつきにくいものですが、今のうちからコツコツと、少しでも興味を持てるような分野からリサーチを始めておきましょう。

Author: 藤居 朋之
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