プライバシーマークをなぜやめた?理由を踏まえ、必要性と対策を解説

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企業や組織の活動において、顧客や取引先からの信頼は非常に重要です。特に、業務上個人情報を扱う場合には、セキュリティ対策をしっかり行い、管理体制も優れた相手でなければ安心して個人情報を預けることはできません。

今では当たり前となった個人情報の取り扱いの重要性について、以前より認証制度を設けて運用してきたのがプライバシーマーク制度です。名刺や企業のポスターなどに「P」のマークがついている場合には、安心して個人情報を預けられる相手として一定の信頼を築いてきた仕組みといえます。

しかし、近年プライバシーマークの更新機会に更新を行わず、プライバシーマークの利用を停止する企業もみられるようになってきています。

本記事では、プライバシーマークについてのおさらいから、プライバシーマークの利用を停止する企業の理由、プライバシーマークに関わる失敗例などを紹介し、今一度効率的なプライバシーマークの必要性の確認とその運用の効率化について解説します。プライバシーマーク、Pマーク担当者の方必見の内容です。

また、意味のあるPマーク認証を効率的・確実に取得・運用したい方にはLRMの認証取得コンサルティングがオススメです。まずは無料でご相談ください。

プライバシーマークについておさらい

プライバシーマーク(Pマーク)は企業や組織において、個人情報の取り扱いに対し体制や運用が適切であることを示す認証制度です。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)のプライバシーマーク推進センターが認証しています。

プライバシーマークの認証は、日本産業規格「JIS Q 15001 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に基づいた「プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針」に適合した事業者が受けることができます。

プライバシーマークを取得した企業はホームページ、ポスター、名刺などにプライバシーマークを入れることができます。これにより、個人情報保護を適切に行っていることを示すことが可能です。

平成10年4月よりプライバシーマーク認定は始まっており、平成15年の個人情報保護法の制定に先駆けた取り組みです。

プライバシーマークをやめた理由とは

プライバシーマークは個人情報の保護を重要視する企業に取得されてきました。企業の信頼を高め、ビジネス上有利に働く仕組みでもあるためです。

しかしながら、プライバシーマークの取得後、継続的な維持を辞める企業も出てきています。その理由は、下記のデメリットを感じたためと考えられます。

  • PMSを継続的に更新する必要があること
  • PMSで定めた社内ルールが実態と乖離しているため
  • プライバシーマークを取得していても個人情報は起こり得るため
PMS:Personal Information Protection Management Systems
※PMS:Personal Information Protection Management Systems。個人情報を保護するための仕組み。PMSでは、継続的に外部監査、内部監査、全従業員への教育などが必須とされます。

これらの理由から、プライバシーマークを保持することに意味が無いと感じられ、プライバシーマークの更新を辞めているようです。

その他プライバシーマークで失敗した事例

プライバシーマークを取得後に個人情報の取り扱いについて下記のような問題が発生した場合には、プライバシーマークの使用停止や取り消しとなる場合もあります。
もちろん、個人情報は正しく管理されるべきですが、プライバシーマークを持っている場合には問題発覚時により大きな信頼損失が起こりえます。その原因が内部不正や不注意によるミスであっても同様です。

  • 個人情報の流出・漏えい
  • 個人情報をなくしてしまう(紛失)
  • 個人情報を捨ててしまう(滅失・棄損)
  • 個人情報の改ざん、保持において変更してしまうこと
  • 個人情報の不正取得、不適正取得
  • 個人情報を取得時の目的以外に利用・提供すること、不正利用
  • 必要に応じた個人情報の開示に対応しない場合

プライバシーマークの必要性とは

あらためて、プライバシーマークはなぜ取得し、維持していく必要があるのでしょうか。その必要性には下記が挙げられます。

  • 顧客や取引先への信頼の拡大
  • 従業員の個人情報に対する意識啓発
  • PMSによる個人情報保護についての定期的な見直しと保護の強化

特に、プライバシーマーク取得・維持のためのPMSへの取り組みは、企業の個人情報取り扱い、情報セキュリティに対する見直しの機会です。継続的にPMSを運営することで、個人情報漏えいのリスクを下げる効果が期待できます。

プライバシーマークの効率的な運用方法

プライバシーマーク取得と維持のためには、PMSの構築継続的運営があります。また、各種の文書作成や手続きも必要です。プライバシーマークの取得・更新に必要となる対応のうち、代表的なものには下記があげられます。

プライバシーマークの取得

  • 調査・分析
  • 企業に合ったPMSを策定
  • 文書作成
  • 従業員教育
  • 内部監査
  • マネジメントレビュー
  • 文書審査
  • 現地審査
  • 付与契約手続き
  • 不適合事項への対応

プライバシーマークの更新

  • 更新手続き
  • リスク分析、対策の実施
  • 規程・ルールのドキュメント化
  • PMS改善の取り組み
  • 不適合事項への対応

効率的な運営に向けて

PMSの構築と維持においてこれらの手順を効率的に行うために、JIPDECでは「プライバシーマーク 事業者のための取得・運用相談室」を用意しています。無料で相談が可能です。

また、根本的に効率的なPMSの構築と運営において重要となるのは、「自社にあった無理のない規程・ルール、PMS作り」です。
どのように自社に合った規定やルールを作ればよいのか、PMS構築につなげればよいのか、取り組みづらい場合には外部のアドバイスを取り入れることも有効な手段です。また、これらの規程、ルール、PMS構築が企業にとって作業負荷が高い場合には、作業軽減のためのアウトソース活用も有効な手段となります。

プライバシーマークのコンサルティングを受けるのも手

プライバシーマークの効率的な取得、維持について、有効な手段の一つが専門家によるコンサルティングを受けることです。取り組みに向けたアドバイスを得ることができ、取得・更新に向けた手続きやPMSの運営支援にも活用可能です。

LRM株式会社では、プライバシーマークについてのコンサルティングサービスを行っています。LRMの「Pマーク認証取得コンサルティング」には専門のコンサルタントが在籍しており、多くの認証取得実績を持っています。

「プライバシーマークを取得できるのか?」、「いつまでに取れそうか?」、「どれくらいの費用がかかるのか?」といった内容についても無料相談を受け付けております。まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

プライバシーマーク(Pマーク)は個人情報保護に対する取り組みを行い、体制や運用が適性な事業者を認定する制度で、事業者の信頼を高め、従業員の意識啓発にも役立ち、個人情報漏えいのリスクを低減させるものです。


取得後も維持するには、継続的な取り組みが必要となるため、企業に合った規程、ルール作りを行い、PMSを構築する必要があります。企業にあったPMS構築が難しい場合や手続きなどの負荷が高い場合には、LRMのコンサルティングサービスを活用することも有効な手段です。

認証取得を目指すPマーク
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