不正アクセス、マルウェア感染、ランサムウェア、そして内部不正による情報漏えい――。
現在、企業は規模や業種を問わず常に多様化・巧妙化するセキュリティリスクに晒されています。
万が一、重大なセキュリティインシデントが発生すれば、巨額の損害賠償請求や社会的信用の失墜など、企業が被る被害は計り知れません。
強固な情報セキュリティ体制を築くためには、「社員一人ひとりが正しい知識を持ち、日々の業務で適切な行動を取ること」が極めて重要です。どれだけ高価なツールを導入しても、従業員のセキュリティ意識が低ければ、そこが最大の「脆弱性」になってしまうからです。
そこで本記事では、自社の情報セキュリティ体制を強化したい担当者に向けて、適切なセキュリティ対策を講じる上で絶対に押さえるべき重要ポイントをわかりやすく解説します。
また、自社のセキュリティ状況を客観評価し、取るべき対策が簡単にわかる「セキュリティチェックシート」を無料で配布しています。ぜひご活用ください。
情報セキュリティで気を付けることとは(8つの対策)
情報セキュリティを徹底するために企業が講じるべきアプローチは、システムの強化から社員の意識改革まで多種多様です。しかし、深刻なサイバー脅威が日々報じられる現在、「何から手を付ければいいか分からない」と対策を後回しにすることは、極めて危険な経営リスクと言えます。
もし適切なセキュリティ対策を怠ってしまえば、企業は以下のような致命的な被害をドミノ倒しのように被ることになります。
- 不正アクセスやマルウェア(ランサムウェア等)の感染
- 顧客情報や機密データの漏洩・データの改ざん
- システムの稼働停止による営業損失や、被害者への巨額の金銭賠償
- 「セキュリティ体制がずさんな企業」というレッテルによる、社会的信用の失墜
こうしたインシデントは、決して大企業だけの問題ではありません。近年では、セキュリティの甘い中小企業を足がかりに取引先の大企業を狙う「サプライチェーン攻撃」も急増しており、規模を問わずすべての企業が当事者となっています。
取り返しのつかない事態を未然に防ぎ、自社の重要な情報資産を守り抜くためには、日常業務の中に強固な守りを組み込むことが不可欠です。
ここからは、企業が日常業務の中で確実に実践し、守るべき「情報セキュリティ対策の8つの重要ポイント」を具体的に解説します。
また、以下の記事「【2026年3月改訂】中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版を解説!第3.1版からの変更点と対策ステップ」では、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開している公式ガイドラインの最新改訂内容を分かりやすくまとめています。
公的に推奨されている中小企業のセキュリティ対策をどのように進めればよいか、具体的な実践ステップを解説していますので、自社の体制強化のご参考にしてください。
安全なパスワード管理
アカウントの「パスワード」は、社内データ資産を守る最初の砦です。しかし、管理の手間から現場でセキュリティが形骸化しやすいため、以下を明確に禁止・改善する必要があります。
- 同じパスワードの使い回し:1箇所から漏洩した際、すべての社内システムへ芋づる式に不正アクセスされる(パスワードリスト攻撃)原因になります。
- 推測されやすいパスワードの設定:「123456」や社名、西暦(2026など)を組み合わせた単純な文字列は、自動攻撃ツールですぐに見破られます。「英大文字・小文字・数字・記号」を推測されにくい形で組み合わせ、文字数を多くすることが鉄則です。
- 「付箋に書いて貼る」などのアナログな漏洩:PCのディスプレイ等にパスワードのメモを貼る行為は「のぞき見」のリスクを高めます。社内であってもメモの放置を禁止するルールを明文化する必要があります。
マルウェアへの対策
デバイスの安全を確保するために、パソコンへのセキュリティ対策ソフトの導入をはじめとする、確実なマルウェア対策が不可欠です。
日々の業務で最も警戒するべきなのが「メール」を起点とした感染ルートであり、特に以下に注意する必要があります。
- 不審な添付ファイルの実行や、本文中のURLクリックに注意:取引先や社内の人間を装い、「請求書の送付」や「業務連絡」といった自然な件名で騙してくるため、添付ファイルを開いたり、URLをクリックしたりすることで、ランサムウェアなどの凶悪なマルウェアに感染する恐れがあります。
- マルウェアは「社内ネットワーク」を介して一瞬で広がる:ネットワーク内のPCが1台でも感染すると、それを足がかりに同じ社内LANに接続された他のPCやサーバー、共有フォルダへと一気に感染を拡大させます。最悪の場合、企業全体の基幹システムが完全に停止してしまうこともあります。
「自分のパソコンだけの問題だから、少し様子を見よう」「大したデータは入っていないから大丈夫」という甘い認識は、組織全体を危機に陥れる引き金になります。
全社員が「自社のネットワークに繋がっている以上、自分のPCは会社の心臓部と直結している」という当事者意識を持つことが極めて重要です。
また、マルウェアの一種で警戒されているサイバー脅威の一つであるランサムウェアの感染経路について、以下の記事「【最新】ランサムウェアの感染経路トップ5と企業がとるべき対策・初動対応」にまとめていますので、あわせてご参考にしてください。
情報の持ち運びのルールの徹底
業務で取り扱う重要データや端末の「社外への持ち出し」は、情報漏えいが発生しやすい警戒ポイントの一つです。
多くの企業がUSBメモリの利用制限や、ノートPCの持ち出しに関するガイドラインを設けていますが、その運用が形骸化しないようルールを徹底しなければなりません。
- USBメモリの紛失・盗難とウイルス感染リスク:USBメモリは、紛失や盗難にあいやすく過去にもいくつものインシデントが発生しています。また、個人のUSBメモリを社内PCに無断で挿す行為は、データを盗み出されるリスクだけでなく、外部からマルウェアを社内ネットワークに持ち込む原因にもなります。
- ノートPCの置き忘れや「のぞき見」の危険:出張先やカフェ、移動中の電車内でのノートPCの紛失・置き忘れは後を絶ちません。また、公共の場で画面を開くことで、背後から重要情報を盗み見られる「ショルダーハック(のぞき見)」のリスクにも注意が必要です。
こうしたデバイスの不適切な取り扱いによって一度でも情報が漏えいすれば、企業の社会的信用は一瞬で失墜し、被害者への巨額の損害賠償問題へと発展しかねません。
無断での持ち出しを禁止するだけでなく、「持ち出す際は上司の事前承認を必須とする」「データは必ず暗号化する」「紛失時は速やかに報告する」といった、実効性のある具体的な運用ルールを全社に定着させることが不可欠です。
ネットワークの適切なセキュリティ設定
社内ネットワークや「無線LAN(Wi-Fi)」に対策の不備があると、外部の攻撃者に通信を盗聴されたり、ネットワーク内に侵入されてデータを盗まれたりする重大なリスクが生じます。
安全な通信環境を維持するためには、システムを導入して終わりにするのではなく、以下の運用・チェックを徹底することが重要です。
- 「通信ログ」の定期的なチェックと監視:定期的に通信ログをチェックし、「不審なIPアドレスからのアクセスがないか」「深夜休日に大量のデータ送信が行われていないか」などを監視することで、外部からの不正利用を早期に検知・対処できます。
- 無線LAN(Wi-Fi)の適切な設定とセキュリティ強化:オフィスのWi-Fiルーターは、初期設定のまま運用することは避けてください。推測されにくい複雑なパスワードに変更するのが鉄則です。
このように、社内ネットワークやWi-Fiのセキュリティは、一度設定して終わりではありません。
「悪意ある第三者は、常にネットワークのわずかな隙を狙って侵入を試みている」という前提に立ち、日々の運用の中で不正アクセスの兆候をいち早く察知できる体制を維持することが、企業の情報資産を守る最大の防壁となります。
適切な電子メールの取り扱いの徹底
日常的なビジネスコミュニケーションの主軸である「電子メール」は、一瞬の油断が重大な情報漏えいに直結するリスクがあります。
宛先のアドレス(To/Cc/Bcc)の間違いや、添付するファイルの取り違えは、企業の信頼を一瞬で失墜させる引き金になります。そのため、送信前に「本当にこの相手で合っているか」「機密ファイルが添付されていないか」をダブルチェックすることは、現代の社会人において必須です。
しかし、どれだけ注意を促しても「人間の集中力」だけに頼った対策には限界があり、業務が多忙な時期ほどヒューマンエラーは発生しやすくなります。
そこで企業としては、個人の意識改革と合わせて、以下のような「システム的な誤送信対策」の導入を検討することが有効です。
- 送信一時保留機能の活用:送信ボタンを押した後、数分間は社内サーバーにメールを留め、その間に間違いに気づけば取り消せる仕組みや、送信前に宛先と添付ファイルを再確認する画面を強制表示させるシステムです。
- クラウド上のダウンロードリンク化:ファイルを添付して送信する際、クラウド上のダウンロードリンクに変換されるサービスを導入します。万が一、宛先を間違えても後からアクセス権限を無効化できるため、情報流出を最小限に食い止めることができます。
「人は間違えるもの」という前提に立ち、従業員のケアレスミスをカバーできる環境を整えることが、実効性のあるメールセキュリティの第一歩です。
データのバックアップ体制の構築
データは企業にとって最大の資産であり、それを失うことは事業の停止を意味します。パソコンやNAS(ネットワーク対応HDD)、サーバー内に保存されている重要データは、いつ失われるか分かりません。
データの喪失を招く主な要因には、ハードディスクの物理的な故障や経年劣化、誤操作によるデータ消去だけでなく、近年では「ランサムウェア」によるデータの暗号化被害が深刻化しています。データを人質に取るランサムウェアに感染した場合、「バックアップ」がなければ業務を一切再開できなくなる恐れがあります。
こうした最悪の事態から迅速に業務を復旧できるよう、日頃から強固なバックアップ体制を構築しておくことが極めて重要です。
常に最新の状態へ復元できるようにするためには、手動での作業に頼るのではなく、以下のような「確実かつ安全に復旧できる仕組み」を導入することをおすすめします。
- クラウドバックアップの導入と自動化:スケジュールを設定し、毎日決まった時間に自動でバックアップを実行するクラウドシステムを活用します。ヒューマンエラーによる「バックアップの取り忘れ」を防ぐとともに、物理的にオフィスが災害にあった際でも、データがクラウド上にあるため保護されます。
- バックアップデータの「ネットワーク分離」:ランサムウェアの中には、社内ネットワークに接続されたNASのバックアップデータまで同時に暗号化してしまう悪質なものがあります。そのため、バックアップ先は社内LANから物理的・論理的に隔離された環境(クラウドや書き込み時以外は切断されるストレージなど)を選ぶことも必要です。
「データはいつか消える・暗号化されるもの」という危機感を持ち、いざという時に迷わず、迅速に復旧作業が行える体制を整えておきましょう。
社員教育
情報セキュリティ対策において、どれだけ強固なシステムやツールを導入しても、それを扱う「人」の意識が低ければ、そこが最大の抜け穴になってしまいます。そのため、新入社員の入社時や、全社的な定期研修を通じて、セキュリティ教育を継続的に実施することが不可欠です。
業務で取り扱うデータや顧客情報は、個人の所有物ではなく「会社の重要な資産」であり、取引先や社会に対する責任が伴います。
「これくらい大丈夫だろう」という油断や、会社に無断で個人のクラウドサービスを使うシャドーITなどが、会社全体にどれほど致命的な損害と信用失墜をもたらすかを、全社員に正しく自覚させなければなりません。
組織全体のセキュリティ意識を底上げし、形骸化させないためには、以下のポイントを意識した教育が効果的です。
- 具体的な「インシデント事例」を用いた研修:「実際に他社で起きた漏えい事件のプロセスと末路」や「巧妙化する標的型攻撃メールの最新手口」を具体例として共有することで、「自分事」として危機感を持たせます。
- SNSの利用リスクやリモートワーク時のルールの周知:「会社のデスク周りを撮影した写真をSNSにアップしたら、機密書類が写り込んでいた」「カフェでPCを開いていたら画面をのぞき見された」など、私生活の延長線上で起こりやすい身近なリスクについても明確な指針を示します。
社内教育は一度行ったら終わりではありません。脅威のトレンドは日々変化しているため、「定期的なアップデート」と「継続的な啓発」を組織の文化として根付かせることが、最大の防御へと繋がります。
LRMの「セキュリオ」はセキュリティ教育クラウドサービスです。セキュリオでは、eラーニングや標的型攻撃メール訓練はもちろん、セキュリティアウェアネスという継続的なトレーニングを行うことでセキュリティレベルの底上げが可能です。
7日間の無料トライアルも実施できますので、ぜひご相談ください。
SNSの運用ルールの徹底
「SNS」は、その「手軽さ」ゆえに一瞬の不注意が企業を揺るがす大炎上や情報漏洩に直結するリスクを秘めています。
スマートフォンが生活に深く溶け込んでいる現代において、多くの従業員が日常的にネットに触れているため、公私の境界線がどうしても曖昧になりがちです。
近年、従業員の不用意な投稿が引き金となり、企業の社会的評価が失墜する事例が後を絶ちません。具体的には、以下のような行動が深刻なインシデントへと発展します。
- 業務に関する情報の「意図しない発信」:「これから大切な商談」「ようやく大きなプロジェクトが一段落」といった何気ない日記風の投稿に、取引先名や開発中の製品名が含まれていたり、背景に機密情報が写り込んでいたりするケースです。
- 勤務時間中の私的なSNSアクセスの放置:業務用のPCやネットワークを利用して勤務時間中に私的なSNSへアクセスすることは、内部情報の流出リスクを飛躍的に高めます。
こうした企業のブランドイメージ低下や実害を未然に防ぐためには、個人の良識に依存するのではなく、「SNS利用ガイドライン」を明確に作成し、社内ルールとして徹底周知することが必要です。
ガイドラインには、「業務上の秘密やインサイダー情報を投稿しないこと」はもちろん、「会社のロゴや制服が写った写真の掲載禁止」「勤務時間中の私的利用の制限」などを具体的に明文化します。全社員にルールを課し、定期的に注意喚起を行うことが、デジタルネイティブ世代を抱える現代企業の重要な防衛策となります。
また、SNSで新入社員が起こしたインシデントについてまとめた資料を無料で配布しています。
自社での研修や社内啓蒙にご活用ください。
情報セキュリティの10大脅威【2026年組織編】
ここまで解説した8つのポイントは、いずれも基本的ながら強力な防壁となるものばかりです。
しかし、サイバー犯罪の手口は日々進化しており、自社の守りが「今の脅威」に対して通用するのかを常にアップデートしていく必要があります。
その有効な指標となるのが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が毎年公開している「情報セキュリティ10大脅威」です。
これは、前年に発生したインシデントの中から、社会的に影響の大きかった脅威を専門家が10個選定し、ランキング化したものです。「個人編」と「組織編」の2つの分野に分かれており、「組織編」は企業の担当者が今まさに警戒すべき最新のサイバーリスクが浮き彫りになっています。
2026年版における、組織向けの10大脅威は以下の通りです。
| 順位 | 「組織」向け脅威 | 初選出年 | 取り扱い |
|---|---|---|---|
| 1 | ランサム攻撃による被害 | 2016年 | 11年連続11回目 |
| 2 | サプライチェーンや委託先を狙った攻撃 | 2019年 | 8年連続8回目 |
| 3 | AIの利用をめぐるサイバーリスク | 2026年 | 初選出 |
| 4 | システムの脆弱性を悪用した攻撃 | 2016年 | 6年連続9回目 |
| 5 | 機密情報を狙った標的型攻撃 | 2016年 | 11年連続11回目 |
| 6 | 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む) | 2025年 | 2年連続2回目 |
| 7 | 内部不正による情報漏えい等 | 2016年 | 11年連続11回目 |
| 8 | リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 | 2021年 | 6年連続6回目 |
| 9 | DDos攻撃(分散型サービス妨害攻撃) | 2016年 | 2年連続7回目 |
| 10 | ビジネスメール詐欺 | 2018年 | 9年連続9回目 |
2026年に発表された「組織編」の動向を見ると、特に以下の3つの大きな傾向が顕著です。
「ランサム攻撃」と「サプライチェーン攻撃」が上位を独占
「ランサム攻撃による被害(1位)」と、取引先を踏み台にする「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃(2位)」が、今年も上位を独占しました。 近年のランサム攻撃は、単にデータを暗号化するだけでなく、「金を払わなければ盗んだ機密情報をダークウェブで公開する」といった、執拗な多重脅迫が標準化しています。
さらに、セキュリティが強固な大企業を直接狙うのではなく、「セキュリティの甘い関連会社や中小の取引先」へ最初に侵入し、そこから本命のネットワークへと潜入する手口(サプライチェーン攻撃)が常態化しています。
【初ランクイン】「AIの利用をめぐるサイバーリスク」の急浮上
2026年版の最大の特徴として、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて3位にランクインしました。 ChatGPTをはじめとする生成AIの業務利用が急速に進む一方で、従業員がAIツールに社外秘のデータや個人情報を安易に入力してしまい、情報が漏えいするリスクが深刻化しています。
また、攻撃者がAIを悪用することで、「人間が見破れないほど自然な日本語のフィッシングメール」を高速かつ大量に自動生成するようになっており、防御の難易度が一段と上がっています。
既存の脆弱性を狙った攻撃の継続
「システムの脆弱性を悪用した攻撃(4位)」も引き続き上位にあります。OSやVPN機器、ソフトウェアのアップデートを怠り、古いバージョンのまま放置している「セキュリティの穴」を突かれて侵入されるケースが後を絶ちません。
このように、最新の脅威は「テクノロジーの進化(AI)」を取り込みながら、同時に「人間の心理的な隙」や「組織の運用ルールの甘さ」を容赦なく突いてきます。
だからこそ、企業としてはシステムを最新に保つだけでなく、前述したような「パスワードの管理」「メールやSNSの運用ルールの策定」「社員教育の徹底」といった本質的かつ継続的な対策を、従業員の意識として定着させることが何よりも重要になります。
情報セキュリティの3大要素とは
情報セキュリティは、「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity)」「可用性(Availability)」の3つの要素で捉えることができます。この3つは、合わせて「CIA」と表記し、「情報セキュリティの3大要素」と呼ばれています。
どれほど巧妙なサイバー攻撃であっても、企業の目的はこの3大要素をバランスよく維持・保護することに集約されます。
- 機密性
- 情報にアクセス権限を設けるなどして、適切に保護、管理することができることを示しています。パスワード管理の徹底や、情報の持ち出しの厳格化などで対策できます。
- 完全性
- 情報が改ざんや過不足がない正確な状態で保存されていることを示しています。デジタル署名を付けたり、情報の変更履歴を保存するなどで対策できます。
- 可用性
- 情報が必要なときにいつでも使える状態になっていることを示しています。システムを二重化して障害に備えたり、UPS(無停電電源装置)の導入、クラウド上に保存するなどで対策できます。
さらに近年では、クラウドの普及やテレワークの拡大、生成AIの台頭などにより、これまでの3大要素だけではカバーしきれない高度なリスクが生まれています。
そのため、現代の情報セキュリティでは、3大要素にさらに「新しい4つの要素」「真正性(Authenticity)」「信頼性(Reliability)」「責任追跡性(Accountability)」「否認防止(non-repudiation)」を加えた「7大要素」という考え方が取り入れられています。
- 真正性
- 情報にアクセスした者が許可されている者であることを確実にしていることです。二段階認証や多要素認証の導入、デジタル署名の付与などで対策できます。
- 信頼性
- 情報やシステムが意図した通りの結果を出すことを示しています。システムの適切な設計や、操作ミスがあってもリカバリーできる仕組みの導入などで対策できます。
- 責任追跡性
- 情報にアクセスした者の行動を追跡できることを示しています。アクセスログの導入やデジタル署名の付与、ログイン履歴の保存などで対策できます。
- 否認防止
- 情報にアクセスした事実や利用したことを否定できないように証明できることです。アクセスログや編集履歴の保存などで対策できます。
このように、情報セキュリティ対策とは、単に「ウイルスソフトを入れる」ということだけではありません。日々の業務ルールや導入しているシステムが、これら7つの要素を網羅できているかを客観的かつ定期的にチェックしていくことが、真にセキュリテイに強い組織を作る唯一の方法となります。
まとめ
本記事では、企業が情報セキュリティ対策で気を付けるべき重要ポイントや、その土台となる基本の考え方について解説しました。
高度なシステムを導入することだけが対策ではありません。社員一人ひとりが正しい知識を身につけ、日々の業務で「パスワードの適切な管理」や「不審なメールの開封禁止」といった適切な行動を取るだけでも、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクは大幅に低減できます。
まずは社内のセキュリティルールを明確に定め、継続的な社員教育を通じて組織全体の意識を育てていきましょう。
情報セキュリティ体制を強化する第一歩は、「現在の自社がどのレベルにあり、どこに弱点があるのか」を正しく把握することです。
自社のセキュリティ状況を客観的に評価し、今すぐ取り組むべき具体的なステップを見極めるために、ぜひ以下の「セキュリティチェックシート」をご活用ください。現状を知ることが、安定したセキュリティ体制への確かな足がかりとなります。



