スパムとはもともと肉の缶詰を表している言葉であり、現在では迷惑メールやメッセージを総称する言葉として普及しています。
この記事では、スパムの概要から具体例、そしてメールやSNS別の対処方法まで詳しく解説します。
また、スパムメールをはじめとする迷惑メールのサンプル・事例を解説付きでまとめた資料を無料で配布しています。本記事と併せてより一層の理解にお役立てください。
スパムとは
スパムとは、無差別かつ大量にばらまかれるメールやメッセージのことです。
最近では、メールやメッセージだけでなく、SNSスパムも登場し、Web上での迷惑行為全般をスパムということも増えてきました。
この「スパム」という言葉の由来は、その昔、イギリスBBSで放映されていた「スパム」というコントであるとされています。「スパム」とは肉の缶詰のことだったのですが、そのスパムが嫌いな夫婦が、とあるレストランでメニューを開くとすべてスパムのメニュー。店員がスパムと連呼するうちに、店内の客たちもスパムの歌を歌うというありさまになり、その結果、スパムが嫌いな夫婦もスパムを注文してしまうことに。
この話から転じて、大量の迷惑なものを繰り返してしまうという意味合いから、スパムという言葉が使われるようになりました。
スパムが送信される理由とは
スパムを発信する人や事業者のことをスパマーと言います。
スパマーがスパムを発信するには、さまざまな理由があります。たとえば、ただの嫌がらせや迷惑行為であることもあります。しかし最近では、スパマーは自らの金銭的な収益を目的として、さまざまなスパムを送信することがあります。
それではこのような金銭的な収益を目的としたスパムの例について見ていきましょう。
よくあるスパムの例
よくあるスパムの例として、具体的には以下のようなものがあります。
コメントスパム
コメントスパムとは、ブログやSNSのコメント欄に不正なサイトのURLを入力して、それを見た人に誘導させることを目的としたスパムのことです。
請求スパムメール
請求スパムメールとは、架空の請求書を送信して、受信者からお金をだまし取ろうとするスパムのことです。
Facebook・Twitterスパム
FacebookやTwitterなどのリプライやダイレクトメッセージ機能を使ってスパムを送信して、住所や年齢などの個人情報などを取得しようとするスパムのことです。
ほかにもメールやLINEを使ってメッセージを送信して、アダルトサイトやフィッシングサイトへ誘導しようとするスパムもあります。
メールのスパムとは
メールの中に不正なリンクを設定したり、悪意のあるファイルを添付して実行させたりしようとするメールのスパムが以前から知られています。これらのリンクを開いたりファイルを実行したりすると、個人情報などが不正に窃取されてしまうリスクがあるため、要注意です。
メールのスパム被害例
メールのスパムの被害例として、大手航空会社に送信された迷惑メールがあります。
このケースではまず、航空機をリースしている会社の金融機関になりすましてフィッシングメールを送り、その会社の従業員のメールアドレスや氏名、肩書などを窃取しました。そうして盗みだした情報を元に、従業員になりすまして、経理担当者宛に金銭の支払い先口座の変更の嘘の連絡をして、3億6000万円を騙しとりました。
スパムメールの対処方法
スパムメールの対処方法には以下の2つがあります。
- メールソフトに迷惑メールフォルダを設定する
- 受信したスパムメールを開かない
ほとんどのメールソフトには、迷惑メールフォルダを自動的に振り分けるフォルダ設定機能があります。個別に設定しなくても迷惑メールならば自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられるようになっていますが、ユーザーが設定することで、さらに迷惑メール判定の精度を上げることができます。
一方、迷惑メールではないメールが迷惑メールフォルダに振り分けられることもあるので、そのような場合は、迷惑メールフォルダから通常の別のフォルダへと手動で振り分けることも必要です。
またもし迷惑メールを受信してしまっても、その中に含まれている不正なリンクのクリックや添付ファイルの実行を行わなければ、被害の発生を食い止めることもできます。少しでも不審なメールだと感じたら、無視するか、メールの送信者とされている人に電話などの確実な手段で、メールについて確認することをおすすめします。
SNSのスパムとは
一方、メールではなくSNSにもスパムによる被害が発生しています。ここではそれぞれのSNS別に被害例と対処方法を解説します。
インスタのスパム被害例
インスタのアカウントを乗っ取られて、そのアカウントから友達にスパムメッセージを送信されるケースがあります。普段あまり使ってない場合、乗っ取られたことに気づかないこともあり、知らないうちにスパムの加害者になってしまうこともありえます。
インスタのスパムとしては、スパムコメント・フォロースパム・タグ付けスパムの3つがあります。
他者の投稿に対して全く関係のない内容のコメントをするのがスパムコメントです。
フォロースパムとは海外の女性のプロフィールに設定して、大量のほかのアカウントをフォローするスパムです。これはプロフィールから別のサイトへと誘導することを目的としています。
タグ付けスパムとは、スパム送信者のプロフィールに誘導するように、特定のタグが付いた投稿をするスパムのことです。
インスタのスパム対処方法
インスタのスパム対処方法は以下の通りです。
- インスタの運営に通報する(ユーザー・ストーリーズ・投稿など)
- 投稿からタグを削除する
- スパムを送信するユーザーをブロックする
Twitterのスパム被害例
Twitterでもスパムによる被害が発生しています。インスタと同様にアカウントを乗っ取られて、スパムメッセージの送信元になってしまうケースが多いようです。
またスパム投稿者からDMが届き、そこに含まれているURLをクリックさせて、パソコンやスマートフォンをマルウェアに感染させようとするケースもあります。
よくあるケースとしては、大げさな表現で気を引いたり、簡単にお金を稼げる方法を紹介したりするなどの内容のスパム投稿があります。
また第三者が公開している不正なアプリとの連携により、スパム投稿をしたりスパムアカウントをフォローしたりしてしまうこともあります。アプリとの連携は正確には乗っ取りとは異なるのですが、投稿やフォローの権限をアプリ側に許可してしまうため、あたかも乗っ取りのような行為を許してしまうわけです。
Twitterのスパム対処方法
Twitterの乗っ取りを防ぐためには、パスワードを強固にしたり2要素認証を有効化したりする対策が効果的です。また不正なアプリとの連携による、スパムメッセージの送信を停止したい場合は、アプリとの連携を取り消すことで対応可能です。
Facebookのスパム被害例
Facebookでは投稿だけでなく、イベントなどの独自機能を使ったスパムの被害が発生しています。
たとえば、何らかのマルウェアに感染することでFacebookのアカウントが乗っ取られて、そのアカウントの友達に対してマルウェアを拡散して被害を拡大させるなどのケースです。
また、パスワードをリセットしたと偽のメッセージを送信して、再度パスワードの設定のためという名目で添付ファイルを実行させようとしたケースもあります。
またFacebookで偽のイベントを設定してユーザーに招待するスパムも確認されています。そのイベントページには不正なURLが記載されており、招待されたユーザーにクリックさせて、個人情報などを盗み出そうとする手口です。
Facebookのスパム対処方法
Facebookのスパムへの対処方法として、Facebookは「Facebookでスパムに対応するにはどうすればよいですか」という文書を公開しています。その内容の一部を引用します。
アカウントの安全を確保する
- アカウントにログインできる場合は、パスワードを変更することをおすすめします。
アカウントにログインできない場合は、こちらからアカウントの安全を確保してください。 - 第三者がスパムと思われる内容を繰り返し投稿している場合は、その利用者を友達から削除またはブロックするか、その利用者について報告することを検討してください。
アカウントのアクティビティを確認して、スパムを削除する
- ログイン履歴に不審なログインがないかを確認します。
- 最近の投稿と「いいね!」を確認します。
- アクティビティログを確認して、意図しない投稿などをすべて削除します。
- インストールされているアプリとゲームを確認して、信頼できないものがあれば削除します。
- 作成した覚えのない写真、投稿、ページ、グループ、イベントがあれば削除します。
スパムを報告する
- Facebookでスパムを見かけた場合は、こちらから報告してください。スパムの報告は、Facebookの利用者を詐欺から守るうえで大きな役割を果たします。
もしFacebookでスパムの被害に遭ったら、上記の内容で対応することをおすすめします。
まとめ
非常に迷惑なスパムですが、適切な対応を心掛ければ、必要以上に恐れる必要はありません。
しかし、SNSなどコミュニケーション手段の発達により、スパムの手口も巧妙化しているのも事実です。被害を拡大しないためには、スパムの手口とその対策方法についての情報を、日頃から意識して取り入れることが重要です。
下記資料から、具体的な手口と対策方法を把握しましょう。